両親へ贈る花嫁の手紙の書き方・文例集
文章を書くのが苦手な花嫁にとって、どんな結婚準備で苦労していてもこれだけはとても気が重くかんじるのではないでしょうか。でも心配しないでください。今回はどれだけ文章が苦手な花嫁でも文章を組み立てられるよう、文章構成にそってそれぞれのパーツ別に参考文例をご紹介します。手紙を書く際に気を付けたいポイントとともに、自分らしく、自分にしか書けない両親への手紙を、素直な気持ちで書いてみましょう。
目次
手紙を書く際のポイント
手紙を書く前に、いくつかの押えておきたいポイントを紹介します。この要点を押えておくことで、あとあと書き直すような手間を減らすことができると思います。1.朗読時間の目安は2〜3分!文字数では約500〜800文字
2.ゲストも、わかりやすい内容にする
両親との思い出を語るのはいいのですが、新郎側の招待客は新婦の半生をまだ知りません。そのような相手にもわかる内容にして文章を組み立てるようにしましょう。例えば家族のエピソードを交えて気持ちを伝えると、初めて聞いた人もその内容がわかるはず。プライベートのことなので、明瞭かつ端的に説明する程度で多くは必要としません。
(例)あの時行ったあの公園 ⇒ 小学校5年生の時に、お父さんが連れて行ってくれた××公園
3.堅苦しくせず、自分らしい言葉で伝える!
4.両親以外にも祖父母や新郎の両親への気持ちを伝える
親代わりに育ててくれた祖父母がいるような場合、両親への言葉のほかに祖父母への感謝の気持ちも伝えて構いません。新郎の両親へ、これからよろしくという気持ちを伝えることも忘れないようにしましょう。5.非難するような内容は避ける
エピソードを交えて両親への感謝を伝える手紙なので、相手や招待客のなかのだれかを傷つけるような内容にならないよう配慮してください。また手紙を書くときも宴席で読まれる内容なので「忌み言葉」も避けるようにしましょう。(例:嫌い、終える、壊す、下ネタ関連など)「書き出し」「エピソード」「結び」の3部構成
手紙の構成は、初めに「書き出し」 次に家族との思い出や出来事などの「エピソード」、そして最後に抱負や感謝を伝える「結び」の三部構成です。
書き出し
- 両親への呼びかけから始める
- 現在の心境(緊張、感謝)
- エピソードへの前フリ
- ゲストへの断りから始める
エピソード
- 幼かったころの思い出
- 失敗や後悔を謝罪する
- 応援してくれたこと
結び
- 新郎の親へのメッセージ
- 決意表明
- ゲストへのお礼
構成部のポイント
「書き出し」は語り口調で短文がベスト
手紙の印象が決まる最初の1文は特に大切にしましょう。親への呼びかけから入るのが定番ですが、堅苦しい表現よりもいつも呼びかけているような言葉を使うことで新婦の今の気持ちが伝わりやすくなります。ただしあくまでも手紙の導入なので短めにするのがベスト。
(例)お父さん、お母さん。今日まで○○年間、本当にお世話になりました。手紙を書いていると今までの楽しかった出来事やつらかった出来事が次々と思い出されます。
ゲストもうなずける具体的な思い出を絡めた「エピソード」
手紙のメインとなる部分です。ゲストが共感できるような、わかりやすいエピソードを添えてその時と現在の気持ちの変化を織り交ぜると、なお一層情景が浮かびやすくなります。
(例)運動が苦手だった私は運動会が大の苦手。そんな私とかけっこの練習に付き合ってくれたお父さん。仕事が忙しい間を縫って夕食前にランニングに付き合ってくれましね。結局運動会の結果は良くありませんでしたが、私を応援してくれたことがとてもうれしかったです。
門出にふさわしく前向きな1文にまとめる「結び」
手紙の締めとなる1文ですので、エピソードからの流れを大事にしましょう。親への感謝の気持ちを伝え、結婚や子育ての決意などで締めくくると門出にふさわしい前向きな心情が伝わります。
(例)(例)私たちもお父さんとお母さんのような夫婦を見習って、笑い声の絶えない家庭を築いていきたいと思っています。まだまだ未熟な私たちですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。
書き出し文例集
1.両親への呼びかけ
もっとも一般的な書き出しで、感謝の気持ちを伝えやすいパターン。それまでのにぎやかな雰囲気からクライマックスへ変化したことが伝わりやすく、ゲストも花嫁の言葉を聞くと一気に感動モードへ変わります。
お父さん、お母さん。今日までの○○年間、お世話になりました。これまでのことを振り返るといろんなことを思い出します。
お父さん、お母さん。今日まで○○年間、大切に育ててくれてありがとうございました。今日、こうして多くの方々に見守られながら結婚式をあげることができたのも、お父さんとお母さんのおかげです。
2.現在の心境(緊張、感謝)
花嫁になった素直な気持ちを冒頭にするパターンは、ゲストにも花嫁に寄り添いたくなるような心情を誘います。結婚式という一大イベントにどのような気持ちで臨んでいるかを伝えることで、ご両親にもいままでの思い出が思い起こされることでしょう。
パパ、ママ、結婚というのはこんなに責任がのしかかってくるものだとは思ってもいませんでした。今日の私は緊張と恥ずかしさでどうしたらいいのかわからなくなっています。でもいまこの瞬間は、パパとママの子供であることに心の底から喜びを感じています。
お父さん、いままで本当に苦労をかけました。今朝お母さんの仏壇に手を合わせている姿を見て、本当に私は結婚して家を出るのだと改めて考えました。小学校のときにお母さんが緊急入院した日から今日まで、家事も仕事もこなすスーパーヒーローになっていつでも私を支えてくれましたね。
3.エピソードへの前フリ
エピソードへの前フリを書き出しに差し込むことで、スムーズに話の展開を進めていくことができます。とくに簡潔な思い出のエピソードでは、家族にしかわからない絆のようなものも、ゲストや新郎のご両親にも伝わりやすいのではないでしょうか。
父さん、お母さん、今日まで大切に育ててくれてありがとう。結婚を決めてから今日まで短い期間だったけど、○○さんというお父さんに似て素敵な旦那様とこれからともに苦楽を共に生きていきます。仕事熱心なところや口下手なところ〜
パパ、ママ、今まで何があっても温かい目で見守ってくれてありがとう。兄弟の中でもわがままで意地っ張りな私が、突然子供ができたと報告しても慌てず最後まで話を聞いてくれたこと、とても感謝しています。今年の正月に「赤ちゃんもできたから結婚する」と二人で報告に来た〜
4.ゲストへの断り(挨拶)から入る
みなさま、本日はお忙しいところ私たちの結婚式へご列席くださいましてありがとうございます。この場をお借りしまして、私から両親へ感謝の言葉を申し上げることをお許しください。
本日は、たくさんの方にお集まりいただき、お祝いしてくださいましたことに感謝申し上げます。ここで私を育ててくれた両親への感謝の手紙を読ませていただくことをお許しください。
エピソード文例
手紙のメインとなる部分ですので、家族との思い出を振り返ります。運動会や遠足での弁当、反抗期や進学時にあったエピソードなどを交えるなど選択肢は豊富にあると思います。今日だからこそという思い出と感謝の気持ちを、ぜひ声にして伝えるようにしましょう。
1.幼かったころの思い出
小さく生まれた私は体調を崩すことが多く、夜中から私を抱いて病院へ駆け込むことも多かったですね。注射が嫌でお医者様のまえで泣き叫んでしまい困らせたこともありました。
活動的だった学生時代、部活で怪我をしてきては困った顔で手当てをしてくれたお父さん。試合の日は朝早くから弁当を作ってくれたお母さん。そんな支えがあったから全国大会でもいい成績を収めることができました。
2.失敗や後悔を謝罪する
反抗してばかりの私は、門限を何度も破ってはお父さんに叱られていましたね。本当にごめんなさい。夜に友人と遊んでいることが楽しいと思っていたあの頃、じつは学校で開けるお母さんが作ってくれた弁当をとても楽しみにしていました。
毎日の家事をお母さんがしていることを当たり前のように思っていた学生時代、自分が寝坊したことで遅刻したのに起こしてくれないお母さんに悪口をいっぱい言ってしまいました。でも私が就職して一人暮らしを始めたころ、毎朝自分で起きて朝食を作り帰宅後に家事をするという毎日を繰り返す中で「お母さんはこれを家族のためにやっていた」という思いが湧き出てきました。いまさらですが、あのころ何も手伝うことなく口だけは一人前だった私のことを毎日サポートしてくれてありがとう。
3.応援してくれたこと
私がひとり暮らしを始めたいといったときに大反対したお父さん。でも間取りや周辺地域のことを細かく説明して安心材料にと思ってお父さんと夜通しいろんなことを話しました。思春期に入ってあまり会話することがなかったお父さんでしたが、その会話でどれだけ私のことを心配してくれていたのかを肌で感じることができました。
小さいころから「お父さんのお嫁さんになる」と言っていた私が結婚の報告をしたとき、涙を流して「良かった」とつぶやいたお父さん。連れてきた婚約者との晩酌の席では小さいころの思い出をたくさん話している後ろ姿からなんとなく寂しさ感じました。それに気づいた彼が「いつでも遊びに来てください。僕たちも遊びに来ていいですか?」と言うと、お父さんは照れ笑いしながら「二人の時間を大切にしなさい」と言ってくれましたね。
結びの文例
両親への手紙を終える結びの文にはこれまで自分の親への感謝を綴りましたので、新郎の親や招待客へのメッセージにすると列席者全員に気持ちが良く伝わります。1.新郎の親へのメッセージ
○○さんのお義父さん、お義母さん。私たちの結婚を認めて下さりありがとうございます。これからは二人で力をあわせ、笑顔の絶えない幸せな家庭を気づいていこうと思います。
○○さんのお義父さん、お義母さん。今日から新しい家族となれること嬉しく思います。お義父さんとお義母さんのように、周囲の人たちから「オシドリ夫婦」と認められるよう頑張ります。
2.決意表明
今日こんなに素晴らしい披露宴で、世界一幸せな花嫁姿をおかあさんに診てもらうことができて、本当にうれしいです。もし私たちの子供がやんちゃをしたときには、私にもしたように厳しく叱ってください。そして私にも子育ての基本をいろいろと教えてください。
おとうさんとおかあさんが私を大切に育ててくれたおかげで、○○さんという素晴らしい夫に出会うことができました。これからは○○さんと一緒に素敵な家庭を築き、おとうさんとおかあさんに恩返しをしたいと思います。本当にいままでありがとうございました。
3.ゲストへのお礼
私たちふたりの門出にご出席いただきました皆様、今日は本当にありがとうございました。この人数と笑顔の数だけ、私たちはこれからの人生にこたえていかなければならないと身が引き締まる思いがします。これからもどうぞあたたかく見守っていてください。よろしくお願いします。